前回は、7Sフレームワークの概要について説明してきました。
今回は、1項目づつピックアップして説明していきます。

ハードの3Sとは

・Strategy(戦略):持続的に競争優位を保てる源泉
・System(システム):社内システム、社内ルールの変革
・Structure(組織構造):あるべき組織体系・権限

この3つを指します。

■ Strategy(戦略):持続的に競争優位を保てる源泉
・変革を短期的に見ることは危険
・既存ビジネスを進化させる組織と、変革させる組織を両立させ移行する
・経営サイドの評価基準は、違う尺度で行う必要がある
(ただし、事業の内容が異なっている為)

■ System(システム):社内システム、社内ルールの変革
既存の部門毎の都合に合わせたシステムは、各部門が情報を共有できるシステムへ移行する(クラウド化)。
リモートワークに対応でき、業務に関わるシステムを優先し、ツールを活用する。(SFA/CRM、MA、RPA……)重要なのは、情報を共有できる環境。改めて権限のルール化をする必要がある。

■ Structure(組織構造):あるべき組織体系・権限
「既存ビジネス推進」「変革事業推進」と別組織にする。

ソフトの4Sとは

・Shared Value(シェアードバリュー):共通の価値観・理念
・Staff(人材):採用と育成
・Style(経営スタイル・社風)
トップの意思決定、社員の行動、発想スタイル
・Skills(スキル):戦略実現に必要なスキル

の4つを指します。

■ Shared Value:共通の価値観・理念
社員が同一の価値観の共有ミッション・ビジョンなど、企業等の組織が共有すべき「存在意義や目指す姿」の総称。「企業理念」をベースに、事業を通じて成し遂げたいことや、成し遂げたい状態を具体化する。
時間軸を入れて策定し、時代/市場に合わせて変えていく。
→「事業ビジョン」「経営目標」

■ Staff(人材):採用と育成
「どんな人材が必要か」だけでなく、どのような人事をしているか/必要なのかを考える
【キーワード】
・社外リソースの活用も ・個人のキャリア重視
・流動性    ・多種多様で、適材適所

■ Style(経営スタイル・社風):
トップの意思決定/社員の行動/発想スタイル
「Shared Value」をベースに、「行動指針」「行動規範」まで、”具体的にどうするか” を落とし込む必要があります。(例)Credo /クレド :理想は社員全員が自身の業務に関わる際に「クレドカード*」まで具体化していること。
*クレドカードとは:企業の信条、行動指針を簡潔に示した言葉を書いたカード。
経営判断や社員が現場で行う判断の指針となる。

■ Skills(スキル):戦略実現に必要なスキル
社員個人ベースの能力です。また、会社(企業)がもつ特徴的(独自の)スキルも含まれます。
例えば、
「この会社だけの技術」
「この業界(市場)には、めっぽう強い」とか
特に、変革組織/グループでは、必要なスキルを明確にし、スピード感を持って、積極的な外部リソースの雇用にも対応する。
また、さらにスキルアップに必要な研修/トレーニングも計画する。
勿論、既存ビジネス推進組織にも適用する。